さて、最適な支払い方の一覧ページに示した結果により、どのようにお金を支払い、どのようにお釣りを受け取るのが最適なのか、ということは分かりました。しかし実際問題として1000×1000で100万通りもある支払い方を、ひとつひとつ確認していくことはできません。
そこでここからは、統計的な解析を行うことによって、もう少し詳しくお釣り最適化の結果を見ていこうと思います。
まずは、平均的にいくら支払い、いくらお釣りをもらうのかという問題です。これは、100万通りの結果がすでに出ているため、単純にそれらを平均することで得られます。その結果、
平均支払い金額 : 728.05 円
平均お釣り金額 : 227.55 円
という数字が得られました。つまり、1円から1000円までのものをランダムに買う場合には、平均して728.05円を支払う必要があって、そのときのお釣りは平均227.55円だということです。1円から1000円までのものを買うときの平均の値段は
(1+1000) / 2 = 500.5
で、これは 728.05 - 227.55 と一致しています。財布の中に硬貨が十分ある場合には、平均500.5円を払えば済むのですから、227.55円分は余計に払ってしまっているということになります。普通に買い物をして227円よりも多くのお釣りをもらってしまった場合には、平均よりも余計に払ってしまったことになります。
また、お釣り金額の中央値が106円であることから、二回に一回はお釣り金額を106円以下に抑えられることが分かります。
ただし、これはあくまでも金額ベースの中央値ですので、たとえお釣りが100円以下であっても、硬貨の枚数としてはすごく多くなってしまう場合もあります。例えば100円玉しかないときに1円の買い物をした場合には、お釣り金額は99円で済むのですが、硬貨の枚数としては10枚にもなってしまいます。
そこで次は、金額ではなく硬貨の枚数について平均値を見てみることにします。