最近すっかり見なくなった二千円札ですが、一応まだ廃止にはならずに流通しているそうです。日本銀行のサイトに行くと、通貨流通高のデータを見ることができるのですが、それによると2008年3月末時点で2,949億円分の二千円札が流通しているとの事です。
枚数にすると約1億5000万枚。日本の人口が1億3000万人弱ですので、一人に一枚以上ある計算になります。「えっ何処に?」という感じですが、銀行などに眠っているのでしょう。
2000年の発行時からの流通高をグラフにしてみると以下のようになります。
二千円札の流通高 単位:億円
最初の一年くらいは、自動販売機などの対応が間に合わないといった問題もあって、おそらく急激に増やすのは遠慮していたのでしょうが、2002年頃からいきなり増やしだしました。ピークは2004年の終わり頃で、何と一兆円分の二千円札を流通させています。
2000年だから2000円札を出してみよう、くらいの軽いノリで始めたことだと思うのですが、ここまでやられると洒落では済まされないですね。まあ、その後少しは反省したらしく、ここ三年は減少傾向となっています。
海外を見てみると、20とか25とか、2が付く紙幣・硬貨も普通に流通しているのですが、日本人には全く受け入れられませんでした。
ここにはやはり、そろばんの文化が影響しているのではないかと思います。
今では学習塾に行ったり、水泳や楽器や英語を習ったりと色々ですが、1990年頃までは、そろばんというのは非常にメジャーな習い事でした。私の住んでいた地方では、他に習い事がなかったこともあり、半分くらいの子供はそろばんか習字をやっていたような気がします。それ以前は知りませんが、「読み、書き、そろばん」という言葉があるくらいですから、昔の人はほとんどそろばんが使えるはずです。
そろばんというのは1の玉が4つと5の玉が1つで出来ていますので、今の1円、5円、10円、50円…という並びとは非常に相性がいい訳です。考えてみれば、ここに二千円札が入り込む余地なんてあるわけないですよね。